整形外科(運動器機能再生外科)

整形外科とは運動器の疾患を扱う診療科です。身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能改善を重視して治療する外科です。骨折、筋肉・腱・神経の損傷、変形性関節症や関節リウマチ等の関節疾患、半月板損傷や前十字靱帯損傷等のスポーツ障害、骨・関節等の感染症、骨粗鬆症性疾患などがあります。

○診療体制

整形外科は現在4名の常勤医師(専門医4名、平成20年度日本整形外科学会認定施設取得)で診療を行っています。
外来は1診には予約制を導入しており、地域連携室を通じて地域の医院や他病院からの予約を受け付けています。人工関節、膝関節・スポーツ、関節リウマチ、骨粗鬆症などの特殊外来を設けています。脊椎疾患に関しては脊椎センターで加療をしています。


手術は主に月、水、金曜日に行っており、手術・麻酔に際しては全身スクリーニング検査(胸部レントゲン、心電図、呼吸機能検査、血液検査、超音波検査など)を行い、治療中の病気も含め、専門科(循環器センター、消化器センター、脳神経、糖代謝科等)と相談して十分に検討しています。

○代表的疾患と治療法

以下主な疾患と治療方法について述べます。


○骨折の治療
救急病院であるため外傷で搬入される方も多く、ギプスや装具等でよい結果が得られる場合は保存治療を行い、機能の再建に手術が必要な場合には手術治療をお勧めしています。関節内骨折の場合は、関節面軟骨の損傷を改善する目的で手術法を選択しています。粉砕骨折、骨粗鬆の骨折では従来までは十分な初期固定を得るのが困難でしたが、ロッキングプレートやロッキングネイル等を応用した新しい治療法により対応しています。開放性骨折では、皮膚の上から骨折部を固定する創外固定法をはじめに行い、感染等の兆候がなくなれば通常の固定法を行います。皮膚や筋肉等の軟部組織のダメージが強い場合には、皮膚の切開を小さくして骨折部周囲の血流を阻害しない低侵襲法で対応しています。粉砕した骨折部の骨癒合を促進する目的で超音波を使用して早期回復を目指しています。
山城地域では整形外科救急病院がないため京田辺市以外の近隣医療圏からの外傷搬入が多く、遠方の方で他院に加療中の方は、地域医療連携室を介して情報提供を行っています。




○変形性関節症(膝・股関節)
関節軟骨面の変性が進行した関節症に対しては、①痛みを改善する②関節の機能を回復させる③日常生活の質を改善する事を目的に人工関節手術を行っています。また関節軟骨の変性が限局されていて変形が軽度な関節症には部分人工膝関節置換術、年令が若く変形が高度な関節症には創外固定器を用いた脛骨骨切り術も行っています。人工膝関節手術に関してはクリニカルパスを使用して2週間の入院を基本に自己血貯血なしで低侵襲手術も行っています。人工股関節手術では術後後方脱臼しにくい前方進入法を採用しており、翌日から下肢の動作制限をすることなく離床を進めています。
術後感染は人工関節手術の最も注意すべき合併症であり、当院ではバイオクリーンルームにてエグゾーストシステム(宇宙服のような手術用着衣とヘルメット)を着用して手術を行い感染予防に努めています。バイオクリーンルームでは滅菌状態で手術を行うことが可能で、当院の手術室は全てがクリーンルームです。(クラス100:最高レベルが2室、その他はクラス1000:準最高レベル)




人工関節置換術を受けられる患者さんに対しては、公的な医療費助成に関する窓口を設けています。 保険診療での費用は月あたりの自己負担限度額が決っており、これを超える場合は、高額療養費制度や更生医療制度を利用します。更生医療とは、身体障害の原因となる症状に対して日常動作の回復を目的に行う治療に適用される制度で、それぞれの世帯所得によって負担限度額が異ります。人工膝関節手術等の詳細に関しては専門医にご相談下さい。






○膝関節半月板損傷・靱帯損傷
半月板損傷・前十字靱帯損傷などの膝関節疾患に対しても京都府立医科大学整形外科スタッフと連携して関節鏡視下の手術を中心に行っています。半月板損傷に関して従来は切除術が一般的でしたが、術後の関節軟骨の老化を防ぐため縫合術も行っています。前十字靭帯損傷には、より正常に近い二重束再建術を行っています。術後の筋力回復が関節機能の再建には重要であるため積極的に筋力トレーニングを行っています。膝関節靭帯手術等の詳細に関しては専門医にご相談下さい。


○肩関節脱臼・腱板断裂
関節脱臼・腱板損傷などの肩関節疾患に対しても関節鏡視下手術を行っています
関節脱臼・腱板断裂などの肩関節疾患に対しては、リハビリテーションによる機能回復が基本となりますが、解剖学的破綻が許容できない場合には関節鏡視下手術を主に行っています。関節脱臼はMRI等を参考に易脱臼性や反復性を認める場合に脱臼制動術を行います。関節鏡視下関節唇縫合術が基本ですが、より高い制動性が必要な場合に鳥口突起行術を併用します。腱板断裂は放射状MRIを用いた詳細な画像診断を行っています。腱板修復術は低侵襲手術な鏡視下縫合術を行っています。一時修復困難な広範囲の場合には、筋前進術を用いた低浸襲手術を主に行っています。肩関節手術の詳細に関しては専門の担当医にご相談下さい。


○関節リウマチ
日本リウマチ学会指導医1名、専門医1名で診療を行っています。関節リウマチは自己免疫により滑膜増生し関節破壊をきたす病気ですが、 2000年以降関節破壊を抑える薬が多数登場し、 今では関節破壊を食い止めることが可能となりました。 当院では生物学的製剤をはじめすべての抗リウマチ剤の使用経験がありますが、 同時に副作用にも注意が必要なため、 病態と効果や副作用について患者さんに理解していただき、 お互いにコミュニケーションをとりながら最善の治療を選択しております。


○骨粗鬆症
骨粗鬆症の治療には診断が重要です。原則50歳以上の方に問診・骨量検査・X線検査等をお勧めしています。また骨粗鬆症性骨折後の二次骨折予防を積極的に行っています。診断確定後にそれぞれの病態に応じた薬物治療を開始します。治療目標は骨強度の低下に伴う骨折の防止です。骨折の連鎖を引き起こすと、寝たきりや寿命の短縮に繋がるため、積極的な治療が大切です。薬物治療は継続が重要であるため、かかりつけ医との連携を心がけています。信頼性の高い骨量測定機器DXA、血液検査やFRAXを使用した診断や薬剤効果判定等の専門的診療を行っています。骨粗鬆症診療の詳細に関しては専門の担当医にご相談ください。


○運動器リハビリテーション
運動器の機能回復にはリハビリテーション治療が欠かせません。当院は平成21年度には京都南部山城地域の日本リハビリテーション医学会研修施設に認定され(日本リハビリテーション学会ホームページ参照、専門医:常勤1名、非常勤1名、指導医:非常勤1名)、地域のリハビリテーション中核病院としての役割を担っています。
厚労省が定めた疾患別リハビリテーション治療期間を目安に、入院患者様を主体にして早期の機能回復を目指しています。通院患者様には運動療法を中心に施行しており、物理学療法は地域の医療機関にお任せして、原則的に行っていません。疾患によって入院期間の目安が定められていますが、大腿骨骨折、脊椎骨折、骨盤骨折等の疾患、人工関節術後などの方には当法人の京都田辺記念病院の回復期リハビリテーション病棟でのリハビリの継続が可能となっています。詳細につきましては医療相談室相談の窓口にご相談下さい。

担当療法士:理学療法士 24 名、作業療法士 4 名、言語療法士 6 名

 

○常勤医師

整形外科部長、リハビリテーション科部長

山﨑 隆仁(やまさき たかひと)

京都府立医科大学医学博士

出身大学:

鳥取大学

専門分野:

関節外科、関節リウマチ、外傷、リハビリテーション

専門医等:

日本整形外科学会専門医・指導医、
日本リハビリテーション医学会専門医・指導医、
日本リウマチ学会専門医・指導医、
日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、
日本体育協会スポーツ認定医

所属学会:

日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会、日本リウマチ学会

整形外科副部長

國友 泰輔(くにもと たいすけ)

出身大学:

北里大学

専門医等:

日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、 日本整形外科学会認定リウマチ医

所属学会:

日本整形外科学会、日本整形外科超音波学会、日本肩関節学会

整形外科医長

竹島 稔 (たけしま みのる)

出身大学:

京都府立医科大学

専門分野:

関節外科、外傷

専門医等:

日本整形外科学会専門医

所属学会:

日本整形外科学会、中部整形外科災害外科学会

整形外科医員

長島 新吾(ながしま しんご)

京都府立医科大学医学博士

出身大学:

京都府立医科大学

専門分野:

脊椎

専門医等:

日本整形外科学会専門医

所属学会:

日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会、中部整形外科災害外科学会